岡山県のOHKでおこなわれているメディアリテラシー実践の初顔合わせのレポートを、ちょっと遅くなってしまいましたが、「レポート、エッセイなど」のコーナーに載せました。ぜひご覧下さい。(飯田 豊)
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岡山県のOHKでおこなわれているメディアリテラシー実践の初顔合わせのレポートを、ちょっと遅くなってしまいましたが、「レポート、エッセイなど」のコーナーに載せました。ぜひご覧下さい。(飯田 豊)
7月13日(日)、岡山放送(OHK)において、民放連メディアリテラシー実践プロジェクトの初顔合わせ会合がありました。岡山県と香川県を放送エリアとするOHKが実施するプロジェクトは、岡山と香川の高校生が瀬戸内海を挟んで交流しながら、それぞれ短い番組制作をおこなうものです(「OHK High School TV Camp」というネーミングが各所で使われているのですが、関係者のあいだでもまだ、あまり定着していないようですね)。
この日は、プロジェクトに参加する岡山後楽館高等学校と香川県立高松工芸高等学校の生徒さん(合計18名)がOHKの本社を訪れました。高校生たちを迎える局員のみなさんは、実に12名! 日曜日にも関わらず、プロジェクトメンバーが一人も欠けることなく、全員集合したのでした。![]()
この節目の会合に、「マス&コミュニケーション」プロジェクトからは、土屋祐子さん(広島経済大学)、駒谷真美さん(昭和女子大学)、飯田豊(福山大学)が参加させていただきました。調査を担当している駒谷さんは、先日のチューリップテレビの初顔合わせと同様、高校生たちに対して元気よく、事前アンケートと個別インタビューをおこない、土屋さんと僕が、両校の生徒さん、局員のみなさんのあいだのコミュニケーションをサポートするという役回りでした。![]()
会合の大まかな流れは、以下の通りでした。
結果から言えば、局員のみなさんによる綿密な役割分担、細やかな配慮、そして咄嗟の機転が功を奏して、会合は滞りなく進行しました。3名の若手のみなさんが司会をされたのですが、しっかりとした進行表を作って臨まれていました。その進行表にはもともと、駒谷さんが高校生に対しておこなう個別インタビューの時間は想定されていなかったのですが、当日の打ち合わせの時点で、ばっちり組み込んで下さいました。突然の要請でご迷惑をお掛けしましたが、とても柔軟に対応していただき、ありがとうございました。![]()
この局のプロジェクト実施体制については、局長から中堅、若手まで、メンバーの層が厚いことが、何よりの強みです。それゆえ、高校生たちとしっかりとコミュニケーションをとる余裕が生まれ、「局の方々がとても優しく、暖かかったです」とか、「社員の人が変わってるなあ〜」といった高校生たちの声を聞くことができました。![]()
これからの実践に備えて、課題として感じたことも挙げておきたいと思います。
ひとつは、富山のチューリップテレビでおこなわれたワークショップとまったく同じ反省点なのですが、上映会における「締め」の部分が少し緩かったことです。参加者がお互いに打ち解けるための仕掛けとしては、今回のミニ・ワークショップは十分にうまくいったと思いますが、高校生たちが局内で撮った「気になったもの」について、局員のみなさんとのあいだで、もっと対話を弾ませてもよかったのではないでしょうか。普段まったく足を運ぶことがないテレビ局に対して、高校生たちがある種のステレオタイプを持っていることは、当日に回収したワークシートの記述からも明らかで、このことについて送り手と受け手のあいだで、その理由を含めてしっかりと掘り下げて考えてみることには、重要な意味があると思います。![]()
もうひとつは、局のみなさんも十分に自覚されていることですが、岡山と香川の地域格差とどのように向き合うかということです。このことがプロジェクトの難しさであると同時に、他の地域ではできない面白さ、ユニークさでもあります。OHKのロビーに相談所を常設するという構想がある一方、特に香川の高校生たちのことを考えて、インターネットを使って関係者が交流するシステムも用意されていることをうかがいました。こうした試みを思案すること自体が、これからのOHKにとって非常に大切なことですが、ただし、プロジェクトの本筋に意図せざる支障をきたさないよう、慎重に活用していただきたいと思います。![]()
さて、OHKの実践プロジェクトはこれから、夏休みを使って集中的におこなわれます。7月下旬にはさっそく、番組制作のための助走として、より本格的なワークショップが始まります。蒸し暑い日が続きますが、頑張っていきましょう。
(文責:飯田 豊、写真:土屋 祐子)
チューリップテレビの民放連プロジェクト、福野町で2回目のワークショップが開催されました!以下は同局の服部寿一さんによるレポートです。高校生のみんなも局員のみなさんも、がんばったみたいですね。下記のファイルをクリックしてご覧下さい!
080712チューリップテレビ.pdf
当日の活動についての、高校生たちのコメントです。
第2回・7月12日
・ カメラで撮ってみて改めて難しさを知った。明るさにによって影のつき方が変わることを知った。音楽を入れることで変わる映像のイメージ。主観と客観の違いがまだ良くわからない。(女子)
・ いつも何気なく見ているニュースの事がよくわかって面白かった。(女子)
・ ビデオを撮影するときに主観的に撮ることと客観的に撮ることの難しさが分かった。自分が作ったものを客観的に撮るのは難しかった。
・ ニュースの順番を決めるのにも、人それぞれ様々な考え方や観点があって参考になりました。服部さんとは気が合うらしいです。(笑)客観的というのは淡々と事実を述べるだけで良いのでしょうか?「〜のようですね」といった推量とかは主観になってしまうのでしょうか?(女子)
・ ビデオカメラを使ってコップに書いた絵を写した。映像で説明することが大変だった。音楽が入っただけで大分変わったので楽しく感じた。(女子)
・ 同じものでも主観と客観でまったく見え方が違ってくるものだ。客観的に見るにしても、個人で違った見え方がしたり、逆に同じように思わせることができるとわかった。(男子)
富山県のチューリップテレビでおこなわれているメディアリテラシー実践の初顔合わせのレポートを、「レポート、エッセイなど」のコーナーに載せました。ご覧になって下さ〜い!
7月5日(土)、チューリップテレビ(富山市)で、民放連メディアリテラシー・プロジェクトの最初の顔合わせの会合がありました。
最初の顔合わせというのは、チューリップテレビの局員のみなさん(この日は服部さん、荒木さん、そして島田さんの三人)、砺波高校、福野高校(南砺総合高校福野高等学校)の生徒さんたち(この日の参加者は合計で10名)の初顔合わせのことであり、さらにはプロの放送人と高校生の結びつきをサポートするための関係者、すなわち両校の引率の先生方、富山大学の黒田卓さん、黒田研究室に関連した大学院生、大学生のみなさん、富山インターネット市民塾と住民ディレクターのみなさんも一堂に集まったわけでした。
氏素性(?)のちがう老若男女(??)が集まる、いわば「異文化コミュニケーション」の最初の場であり、ここでうまい雰囲気が作れるかどうかが、プロジェクトの成否にかかっているともいえました。
午後1時過ぎから5時過ぎまでの約4時間、二つのミニワークショップをふくんだこの会合は、おおむね大変うまくいきました。まずは関係者のみなさん、本当にお疲れさまでした。とくに前日夜、名古屋からたどり着いたという服部さん、夜中まで準備をされていた荒木さん(途中で寝た)、島田さん(ほとんど寝てない)、大変ご苦労さまでした。![]()
当日、「マス&コミュニケーション」プロジェクトからは駒谷真美さん(昭和女子大学)と僕(水越伸・東京大学)が参加をし、駒谷さんは持ち前の関西ノリ炸裂で元気に事前のアンケート調査と、生徒さんたちへの個別のインタビュー調査を進め、僕は前置きの話や、チューリップの方々へのサポート全般をさせていただきました。僕は、民放連プロジェクトの概要を話、これは放送局員と高校生の「対話と対決」のための貴重な機会だといういい、おもしろくもひたむきにやって下さいと、ちょっと偉そうなことをいいました。
駒谷さんによれば、生徒さんたちの意図や考えがとても多様でおもしろかったということですし、僕もいろいろな意味で刺激を受けました。高校生のみんな、どうもありがとう!
詳細なレポートをやる余力がないですが、二つのミニワークショップ(以下、WS)を概説しておきます。
■WS1「名札用ベストショットを取り合う」
初顔合わせのアイスブレークとして、このプロジェクト用に首からさげる名札用の自分の写真を、たがいに取りあいました。場所は1階ロビーにあるチューリップのキャラクターのあたり。高校生だけではなく、関係者全員が、自分の好きなポーズでキャラクターとからんだりして、ベストショットを取り合うのです。そしてその写真をプロジェクターで見せ合い、自己紹介をしました。

最初は固まっていたり、わけがわからないでいたみんなも、おもしろい写真が撮れるごとに打ち解けていき、いい雰囲気をつくることができました。僕はといえば、いの一番に、ヘンな写真を撮った(とらされた)です。その写真データはチューリップに所蔵されています(・・・)。
■WS2「イメージ通りのチューリップ」「イメージとちがうチューリップ」の画文づくり
局内見学をやるときに、ただ見て回るだけではなく、一渡り見学したあとに、高校生や関係者が「イメージ通りのチューリップテレビ」の写真+キャプション(僕たちは「画文」と呼んでますが)と、「イメージとちがうチューリップテレビ」の画文を、ケータイで一つずつ作り、PCメールに送り、それをみんなで大きなプロジェクター上で見合って、話し合うということをしました。
「イメージ通り」「イメージとちがう」の組み合わせと、それをもとに話し合うというワークショップの仕組みは、僕たちのなかまである小川明子さん(愛知淑徳大学)が「東京パッチワーク」というワークショップで生み出したモチーフです。今回はそれを借用したわけです。
おもしろかったのは、「イメージ通りのチューリップ」は、副調整室の機材など、ある程度パターン化していたということ。同時に「イメージとちがったチューリップ」は、人によってずいぶんちがっていたということです。たとえばぐちゃぐちゃのデスクスペースだとか、楽屋裏の汚さだとか。
いずれにしてもテレビ局に一度も来たことがない人々がなぜ「イメージ通り」「イメージとちがう」という判断ができるかといえば、それはテレビをはじめとするメディアの影響です。そのことをみんなが理解するいい機会になりました。

一日みなさんと一緒に過ごしてみて、僕なりに印象に残ったことや大切なことを下記に箇条書きしておきたいと思います。
(1)異文化コミュニケーションができる放送人と高校生
まずはチューリップテレビのみなさんが、それなりに緊張はされていたけれど、高校生や市民と結びついてこのような実践をすることに慣れていらっしゃることに驚きました。ふつうの放送局ではないことだからです。と同時に、メディア・リテラシーとはなにかについても、実践的に理解をされていた。そうしたうえで、とてもうまくプログラムをデザインされ、諸々について細かい準備がされており、よかったと思います。
また、服部、荒木、島田というトリオが、年齢、性別、職種、キャラなど、いろんな意味でバランスが取れていて素晴らしかったと思います。この実践に関わるチューリップのメンバーは、他に3〜4名いらっしゃいますが、いい雰囲気だと思いました。
一方で、高校生のみんなもいい雰囲気でした。なかには何が何だかわからずに連れてこられた的な人もいたけれど、写真を撮ったり、喋ったり、笑ったり、身体を動かしで、どんどんなじんできていたし、なによりもあれだけいろんな人がいるところでしっかり話ができる人ばかりでした。多くの人が、こんなに大がかりな活動だとは思わなかったといっていたけれど、そういうことはあまり気にせず、おもしろく、ひたむきにやってほしいと思います。勉強や部活の合間で大変だろうけれど、必ずやみんなのためになりますからね。

(2)バックヤードにいてくれた大人たち
この日は高校生のみなさん以上の数の大人が集まりました。参加者よりファシリテーターの人数が多いワークショップというのは、笑い話ではなく、しばしばありますが、あまりよい雰囲気のものではありません。この日は多くの「大人の人たち」が、舞台裏に控えているようなかたちでいてくれて、放送局員と高校生たちの「対話と対決」を見守ってくださいました。そのことが結果としてよかったと思います。
住民ディレクターや市民塾の方々から、自分たちも勉強になったというコメントをいただき、それはとてもいいことだと思いました。大人が子どもに、放送人が素人に一方的に教えるのではなく、たがいに学ぶということが、とても大切だと思います。


この日はおおむねうまくいったのですが、二つの課題があったかと思います。
(1)PCなど機材のことは課題として残りました。すなわち放送局のPCが古いために、名札原稿づくりやメールに添付された写真のチェックに手間取り、島田さんが八面六臂でがんばりました。また名札のラミネート加工がこの日はうまくいきませんでした。このあたりは富山大学などサポートがあると、よりスムーズになると思います。
(2)二つのWSでやったことがらの「締め」の部分がちょっとゆるかったです。一つめのWSは、ただ打ち解けるためだけではないはずです。デジカメで写真を撮られる、そのために日頃とちがうポーズをとるということは、メディアで映し出されるという非日常的体験のおもしろさと危うさを考える材料になります。このあたりは名札ができあがったあと、別の機会に話し合ってみたらどうでしょうか。
また二つめのWSは、「イメージ通り」「イメージとちがう」という時のイメージ自体が、テレビをはじめとするメディアによって造成されているということを確かめるいい機会です。このあたりは放送のプロだからわかっているというものではなく、送り手と受け手がともに振り返り、確認をしていくといいと思います。

今後、高校生たちはいくつかのワークショップをこなして、いわば番組づくりのための準備運動をしていきます。次に僕が富山へうかがうのは8月6日になるかと思います。そのときにはそれまでの成果の合評会のような会合が開催される予定です。その後、お盆を経て本格的な番組づくりに入りますが、そのしかけや仕組みについては、これからチューリップのみなさんと一緒に話し合っていきたいというふうに思っています。できればただの番組づくりではなく、「メディア・エクスプリモ」で展開しているような、持続的な市民のメディア表現に結びつく活動になればいいなと、僕は思っています。
以下は、高校生のみんなが、当日のふりかえりシートに書いてくれたコメントです。
第1回・7月5日
・ テレビ局の裏側が見られた!って感じでした。とてもおもしろそうで、また、とても大きなプロジェクトなので頑張りたいと思います。(女子)
・ 局の見学でいつもは見られないもの見られて面白かった。いろいろな技術が導入され、ひとつの放送にも多くの人が連携してやっていることがわかった。(男子)
・ 本物のカメラに触れて実際の重さを実感した。地震が起きたので対応を生で見た。CMを買って流すとか、テレビ番組を買うと言ってましたが、どんな方法で取り引きされているのか。カンペできる機械があるのが意外でした。(プロンプターのこと)(女子)
・ 良くわからないまま参加したけど、わかりやすい話をたくさんきけたし、チューリップテレビの中をまわれたのでとても楽しかった。(女子)
・ 放送局の業務について少しわかった気がした。(男子)
・ TUTの方々や先生方との交流が楽しかったです。見学も様々なところが見られて楽しかったし驚くこともあったし、たいへん面白かった。プロジェクトの話をききましたが、「新しい見方で何かを見られるようになりたい」という私の期待に応えてくれそうで楽しみです。頑張ろうと思います。(女子)
5月30日(金)、富山のチューリップテレビに民放連プロジェクトで、愛知淑徳大学の小川明子さんと訪問しました。
この日は、「なぜ、ローカル民放にメディア・リテラシーが必要か」という、ちょっと刺激的なタイトルで講演を行いました。京成電鉄のトラブルで遅れた僕に代わり、まず小川さんから英国のデジタルストーリー・テリングの概況や、日本における市民メディアとも重なる、その可能性と課題についてお話をいただき、その後僕が、新しいメディア・リテラシーと民放連プロジェクトの概要説明をし、すでに住民ディレクターを導入しているチューリップテレビならではの可能性についての提言をしたりしました。
講演のあと、池森武宣社長とお話をさせていただき、服部寿人さん、岩井知香子さんをはじめとするコアメンバーの方々と打ち合わせをしました。局内を拝見しましたが、フロリダのタンパやデンマークのノーユースケをちょっと思い出すような、クロスメディア的なレイアウトやデザインがとてもよい雰囲気でした。局員のみなさん、どうもありがとうございました。
チューリップでは富山大学、富山インターネット市民塾、住民ディレクターなど、地域のさまざまなセクターとの連携をすでに持っており、夜はその関係者のみなさんと食事会でした。黒田卓さん、柵富雄さん、泉田匡彦さんはじめとするみなさん、どうもありがとうございました。楽しかったです。
パブリックアクセスの可能性と課題をすでに経験されているチューリップテレビは、これまでの民放連プロジェクト実施局とはちょっとちがった立ち位置にいると考えられます。それらを生かしつつ、ほかにはないおもしろいことをやってみよう!、実験的なことをやってみよう!というふうに、コアメンバーや関係者の方々も考えているようで、とても楽しみです。近いうちにまたおじゃまいたします。
さてさて、5月に民放連プロジェクト実施局3局をすべて回りました。どこにもそれぞれの地域の文化と放送局の伝統があり、日本のローカル民放のポテンシャルというのは相当なものだとあらためて体感した次第です。
これからいずれも具体的な活動に入っていきます。僕だけではなく、「マス&コミュニケーション」のメンバーが入り乱れて(?)の協働となるかと思います。(水越伸)
精鋭部隊は下記の通り!研究プロジェクトですので、所属や肩書きとは切り離れたかたちで、大学を拠点にパブリックに動きます。
飯田豊 福山大学 Yutaka IIDA, Fukuyama University
駒谷真美 昭和女子大学 Mami KOMAYA, Showa Women’s University
境真理子 桃山学院大学 Mariko SAKAI, St. Andrew’s University
下村健一 ジャーナリスト Kenichi SHIMOMURA, Broadcast Journalist
砂川浩慶 立教大学 Hiroyoshi SUNAKAWA, Rikkyo University
高宮由美子 NPO子ども文化コミュニティ Yumiko TAKAMIYA, NPO Community of the Culture with and for Children
土屋祐子 広島経済大学 Yuko TSUCHIYA, Hiroshima University of Economics
林田真心子 福岡女学院大学 Mamiko HAYASHIDA, Fukuoka Jo Gakuin University
古川柳子 テレビ朝日・東京大学 Ryuko FURUKAWA, TV Asahi, University of Tokyo
水島久光 東海大学 Hisamitsu MIZUSHIMA, Tokai Univeristy
山内千代子 RAB青森放送 Chiyoko Yamauchi, RAB Aomori Hoso
劉雪雁 関西大学 Xueyan LIU, Kansai University
「マス・コミュニケーションの時代」から「マスがコミュニケーションする時代」((c)古川柳子)へ。そのときメディア、コミュニケーション、リテラシーはどのように変化するのか、構想しうるのか。
「マス&コミュニケーション」は、旧メル・プロジェクトのメンバーを中心として、マスメディアと市民の回路作り、新たなマス・コミュニケーションのあり方を模索することに興味を持つ、多様な領域、職種の人々からなる異種混淆的な研究プロジェクトです。
具体的には、水越研究室が共同研究をおこなっている「民放連メディアリテラシー実践プロジェクト」、「ろっぽんプロジェクト」(テレビ朝日との共同研究)という、いずれもマスメディアと市民の協働的メディア・リテラシーの構築を目指す協働研究プロジェクトを総合的に進めることが目的となっています。
いい方を変えれば、これらのプロジェクトを個別バラバラにおこなうのではなく、研究として一貫した、総合性のあるものとするために「マス&コミュニケーション」プロジェクトがあるといえます。
しなやかに、したたかに!
クリティカルで、プラクティカルに!
それが「マス&コミュニケーション」のモットーです。
5月初旬の南海放送に続き、OHK岡山放送にはじめてうかがいました。
21日は、「地域循環的なメディア・リテラシーの展望:ローカル放送局の課題と可能性を踏まえて」と題して、水越が講演をさせていただき、その後関係者の方々と夕食をご一緒しながら、岡山と香川にまたがるカバーエリアの特性、開局当時の思い出などを交え、あれこれ話に花が咲きました。今回は、広島経済大学の土屋祐子さん(専任講師)、福山大学の飯田豊さん(専任講師)という、メディア論が専門で、ともにメル・プラッツのメンバーであるお二人に同行してもらい、あれこれ意見交換を一緒にさせてもらいました。22日は、コアメンバーのみなさんとざっくばらんにお話をさせていただきました。
高橋誠編成局長をはじめ、関係者のみなさん、どうもお世話になりました。これからいろいろあるかと思いますが、どうか楽しくやっていきましょう。
OHKでは、岡山側と香川側の子どもたちが、たがいの地域イメージがメディアに媒介されていること、そのイメージとリアリティにちがいがあることに気づき、対話のための映像づくりをしていくという、大まかな構図でメディア・リテラシー実践を進めることになりそうです。02年度のRKB毎日と台湾公共電視台を結んだ実践や、メル・プロジェクトの一つであった「ローカルの不思議」などのモチーフを応用したかたちになります。
今後は土屋さんを中心に、水越ほかの関係者も関わりながら、岡山放送の実践を展開していくことになるかと思います。
(水越伸)
5月14日、東京大学本郷キャンパスで、本年度民放連プロジェクト実施局の一つである、岡山放送編成局長の高橋誠さんと、駒谷真美さん(昭和女子大学)、砂川浩慶さん(立教大学)ほかのみなさんとともに打ち合わせをしました。
岡山県、香川県の両県をカバーエリアとするユニークなこの局では、その特性を活かして、両県の子どもたちがメディアに映し出されるたがいの県のイメージを意識化し合うこと、みずからのリアリティを相手に伝えるかたちで映像制作をすることなどを組み合わせて活動を進めていこうということになり、おおいに盛り上がりました。
02年度の民放連プロジェクト福岡実践(RKB毎日、子ども文化コミュニティなど)で、福岡の子どもと台北の子どもを結んでおこなった実践の要素や、メルプロジェクト以来続いている「ローカルの不思議」プロジェクトのアイディアを活用していくことになりそうです。
高橋さんは、メディア・リテラシーという営みが、地域のなかで放送局が持続的に発展していくための営みとしっかり結びついている必要があるとおっしゃっています。まさにその通りだと思いました。まもなく岡山にうかがうことになります。
(水越伸)