2007年度に民放連プロジェクト実践をおこなった愛媛朝日テレビ(愛媛県)が、松山大学の学生さんたちとテレビの生放送番組の企画案作りに取り組んでいるそうです。アサヒコムの記事には書かれていませんが、これは民放連プロジェクトの延長上での継続活動だといえると思います。
当時トップにいた長谷川さんがコメントをされています。
「TV局と松山大生生番組企画 南予の活性化テーマ」(2009年6月29日アサヒコム)
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2007年度に民放連プロジェクト実践をおこなった愛媛朝日テレビ(愛媛県)が、松山大学の学生さんたちとテレビの生放送番組の企画案作りに取り組んでいるそうです。アサヒコムの記事には書かれていませんが、これは民放連プロジェクトの延長上での継続活動だといえると思います。
当時トップにいた長谷川さんがコメントをされています。
「TV局と松山大生生番組企画 南予の活性化テーマ」(2009年6月29日アサヒコム)
みなさま
僕たち、「マス&コミュニケーション」が民放連と共同研究のかたちをとって進めてきたメディアリテラシー実践の発表会です。以下は、民放連からのお知らせに加筆訂正したものです。お誘い合わせの上、ぜひお越しください!
水越伸
(以下、民放連からのお知らせ)
日本民間放送連盟は、2009年2月20日(金)午後1時から、「民放連メディアリテラシー実践プロジェクト」報告会を開催します(会場:千代田区紀尾井町3−23文芸春秋西館、民放連3階会議室)。
このプロジェクトは、『メディアリテラシーの道具箱〜テレビを見る・つくる・読む』(民放連・東京大学メルプロジェクト編)をテキストとして、公募により決定した放送局のスタッフと中学・高校生が番組づくりなどを通じて、ともにメディアリテラシーを学び合うもので、18年度から5か年計画で実施しているものです。本年度は、チューリップテレビ、岡山放送、南海放送(ラジオ)の3社が実践を行いました。報告会では、3社の実践担当者に加え、ご協力いただいた有識者にもご報告いただきます。
民放各社の社員ならびに、メディアリテラシーに関心をお持ちの教育関係者など一般の方も参加いただけます。ぜひご参加くださるようお願いします。
この件に関する問い合わせ 民放連番組部 houkokukai@nab.or.jp
■「民放連メディアリテラシー実践プロジェクト」報告会■
日 時 2009年2月20日(金)午後1時〜5時
会 場 民放連3階会議室(千代田区紀尾井町3−23文芸春秋西館)
参加費 無料
プログラム
開会挨拶 戸恒 直(日本テレビ放送網・コンプライアンス推進室長)
実践報告1(チューリップテレビ) チューリップテレビ担当者、水越 伸(東京大学)
実践報告2(岡山放送) 岡山放送担当者、土屋祐子(広島経済大学)
実践報告3(南海放送) 南海放送担当者、飯田 豊(福山大学)
実践プロジェクトの成果〜参加者調査から 駒谷真美(昭和女子大学)
パネルディスカッション〜全体総括
水越 伸
土屋祐子
飯田 豊
申込方法 準備の都合上、氏名、所属、連絡先(メールアドレス)を明記の上、2月13日(金)までに houkokukai@nab.or.jpまでメールでお申し込みください。なお、参加証は発行いたしません。
寒中お見舞い申し上げますです。
チューリップテレビのメディア・リテラシー実践、報告がしばらく間がいてしまいすみませんでした。最後の報告が9月なかばで終わってましたぁ。
その後・・・。チューリップテレビでは夏の間に3つの高校生チームが制作したビデオ作品を9月27日(土)、富山大学での試写会において見せ合い、批評をし合いました。率直に言えばこの段階でのビデオ作品で、過去の実践局の最終作品に近い中身ではあったのですが、ここでもう一度「批評と表現のらせん」を一回しして上昇させようと考えた次第です。高校生たちは、あれこれいわれてそれなりにくやしい思いもし、刺激にもなったとことと思います。
10月25日(土)は砺波市美術館において、9月の批評を踏まえて各グループが作り直した最終作品の上映会と意見交換をする最終報告会でした。ここには砺波高校、福野高校の高校生、先生方、これまでに取材に協力いただいた氷見市久目地区のみなさん、高校生のご父兄のみなさん、テレビ朝日、テレビ東京、岡山放送の局員の方々、チューリップテレビの実践チーム、日本民間放送連盟番組部の関係者等、大勢の人が集まり、一種のフェスティバル的な状況の中で進めました。司会進行はチューリップテレビの荒木さんと水越が担当しました。
いろいろ印象深いことがあったのですが、なによりも高校生たちの作品が9月から格段によくなっていたことには舌を巻きました。このプロジェクトでは作品の善し悪しは一番の課題ではなく、作品をつくるプロセスで送り手と受け手がいかにメディア・リテラシーを学ぶかということが課題ではあるわけですが、その観点からしても構成がとてもよく考え直されているものだと思われました。これは何度もつくってみる、「批評と表現のらせん」を何度も回して上昇させていくということを愚直にやることがどれだけ重要かということが実証された機会だったといえると思います。
11月24日(月)、チューリップテレビでは3チームの作品を含めたメディア・リテラシー・プロジェクトの総集編的番組、「テレビノミカタ:泣いた!笑った!つまずいた!高校生113日の記録」をオンエアしました。僕も見せてもらいましたが、高校生の奮闘だけではなく、チューリップテレビの局員の葛藤、悩みなども、ある意味で平等に描かれており、とても気持ちのよい番組だったです。そして3月に再放送が決定したとのこと。乞うご期待ください。
富山の関係者のみなさま、あらためて大変お疲れさまでした。そしてありがとうございました。さらにこれからもどうかよろしくお願いいたします。こうした活動を続けていくようにしましょう!
寒中お見舞い申し上げます!
「ろっぽん」プロジェクトでは、09年1月、2月、3月と、立て続けにセミナー形式の会合を開催していく予定です。
(1)1月14日(水)は、テレビ朝日が進める「出前授業」の講師をされているボランティア局員の方々の座談会があり、それを「マス&コミュニケーション」のメンバーである砂川浩慶、水越伸らがお客様フロント局の方々といっしょに伺い、ディスカッションをしました。その知見は今後、この類の活動を改善していくためにいかしていく予定です。ボランティア局員の方々の奮闘ぶりと、アイディアの豊富さと、誠実さに、あらためて感じ入りました。
(2)2月のセミナーは、テレビ朝日社員を対象に、メディア・リテラシーについての講演(水越伸)、鼎談(砂川浩慶、下村健一、水越伸)、質疑応答などをおこないます。これはいわば、テレビ朝日におけるメディア・リテラシーのデビュー・イベントとなるかと思います。くり返しになりますが社員限定です。
(3)3月12日(木)のイベントは一般公募された市民のみなさまとともに進める予定で、現在その企画を練っているところです。いずれ公募要領をお知らせいたしますが、乞うご期待ください!
2008年10月、南海放送ラジオセンターが取り組んでいる民放連メディアリテラシー実践プロジェクトが、具体的に始動しました。当初は他の実施局と同じように、ワークショップを軸とした番組制作活動が想定されていましたが、ラジオに対する子どもたちの関心が薄い状況で、いきなり番組づくりを体験するというのは何か足りないということで、これまでにないタイプの実践を展開することになりました。
プロジェクトの名称は、「マホラマ。–愛媛のワカモノ☆コミュニティ」。既に書いたように、ケータイとウェブサイトを積極的に活用しつつ、ラジオにしかできないことを仕掛けていこうというのがねらいです。もう少し踏み込んで言えば、次のような目標を設定しました。
これを実現するために、水越研究室が民放連プロジェクトとは別に進めているメディア・エクスプリモ(独立法人科学技術振興機構(JST)のCREST研究の一つ)が研究の一環として生み出した「ケータイ・トレール」を、民放連プロジェクトで実装するというかたちをとることになりました。メディア・エクスプリモとしては、その成果をラジオにおいて実装し、広く社会実験をおこなうことになります。
10月5日(土)は、このプロジェクトに参加する高校生たちとの初顔合わせでした。その前日に水越伸さん(東京大学大学院情報学環)、沼晃介さん(東京大学先端科学技術研究センター)、飯田豊(福山大学)の3名で松山入りし、南海放送の山内美帆子さん、平田瑛子さんと、これからの方向性に関する打ち合わせをおこないました。
そして、初顔合わせ当日には、愛媛県立伊予高等学校、愛媛県立伊予農業高等学校、愛媛大学農学部附属農業高等学校(今年度より愛媛大学附属高等学校)、愛媛県立松山商業高等学校と新田青雲高等学校の高校生たち、合計14名が南海放送を訪れました。山内さんと平田さんたちが、街なかでのスカウト活動、高校訪問、ウェブサイトでの公募など、さまざまな方法で声かけをおこない、それに応えてくれたみなさんです。高校生たちを迎えたのは、局員の方々だけでなく、普段から局で内勤のアルバイトをしている大学生のみなさん。4つのグループに分かれた高校生たちに一人ずつ付き添い、これからの活動をサポートしてくれる実に心強い存在です。
まず、飯田が民放連プロジェクトの主旨を少しだけ説明させていただき、当日の朝に松山にいらっしゃった駒谷真美さん(昭和女子大学)が、メディアリテラシーに関する事前アンケートと個別インタビューを実施しました。
この日に実施したワークショップは、(1)ケータイを使った自己紹介ムービーの撮影と鑑賞、(2)局内見学のなかで「イメージと同じ」「イメージと違う」と感じた写真をグループごとに撮影し、お互いに発表し合う、というものでした。
(1)は今後の活動に関連する、準備運動的なワークショップ。会場が賑やかだったため、うまく声が拾えなかったり、機種によって画質が違っていたりということがありましたが、ケータイでどういったムービーが撮れるのかということを体験的に理解することができました。みんなが撮影したムービーのデータをコンピュータに保存し、プロジェクタでいっせいに投影した様子は圧巻でした。
(2)は似たような試みを今年、富山チューリップテレビや岡山放送でも実施しており、初顔合わせの会合で局内見学と併せておこなうのに適しているワークショップです(したがって、ここでは詳しい説明を省略します)。事前の計画には無かったのですが、案内役の山下泰則さん、戒田節子さんのはからいで、ラジオスタジオの見学のさい、生放送中の番組に高校生たちが飛び入りで出演するという体験もしました。そういった即興ができる柔軟さや軽快さがラジオの魅力である一方、放送に声を乗せるということは社会的責任がともなう営みだということも、高校生たちに身をもって学んでほしいと思います。
会合の最後、高校生たちにダイヤル式のポケットラジオがプレゼントされ、みんなでチューニングをしてみました。普段からラジオを聴いているという人は、ごく少数でした。ダイヤルをひねってチューニングをするのは、どうやら高校生たちにとって初めての経験のようです。
南海放送が取り組む民放連プロジェクトは、毎週日曜夜11時から1時間放送される「1116 night school 第一マホラマ。学園」という番組のなかで、継続的に紹介されることになります。プロジェクトに参加するために集まった高校生たちは、この番組では「生徒会(ユース)」と呼ばれており、ちょうど初顔合わせの日の夜が最初の放送でした。初MCの現役女子大生マリィーさんが「新任英語教師」、ベテランMCの藤田晴彦さんが「教頭先生」、プロジェクトをサポートしてくれる大学生たちが「教育実習生」、そしてディレクターの平田瑛子さんが「学園長」という位置づけ。中高生のリスナーが学園の「生徒」ということなので、その他のリスナーはメール投稿のさい、「保護者」もしくは「PTA」と名乗るルールになっているそうです。
この番組自体と民放連プロジェクトとは、成り立ちの経緯からして互いに独立しているものの、ある部分で重なっているという難しい関係にあります。この両方を軌道に乗せるための苦労は大変なものですが、高校生のみなさんがラジオに関するメディアリテラシーを総合的に学ぶにあたって、そして局のみなさんがラジオの新しい価値を模索するにあたって、とても豊饒な土壌が整ったといえるのではないかと思います。
(文責:飯田豊/福山大学)
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2008年9月15日、岡山放送で民放連メディアリテラシー実践プロジェクトの合評会が行われました。今回の実践メンバーの岡山後楽館と高松工芸の高校生、岡山放送局のみなさん、さらに高校生のご両親や先生、以前民放連プロジェクトに参加した放送局の方らも参加されました。Mass & Communicationプロジェクトのメンバーからは水越さん、飯田さん、駒谷さん、土屋が出席しました。
今回の合評会は、関係者が一同に会して活動をふり返り、それぞれ得た「気づき」を共有する、という目的で開催されました。
すでにお伝えしてきたように岡山放送では、7月13日の顔合わせの会で本格的に活動をスタートさせました( 「7/13 岡山放送(OHK) High School TV Camp 初顔合わせ!」 )。その後7月末に、岡山と香川、2地域間のイメージ交換ワークショップを実施、8月に入り番組企画、取材、撮影、編集と集中的に制作を進めました。8月26日には岡山放送の情報番組「温☆時間」に高校生が生出演、完成作品を放送しました。
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高橋編成局長による「プロジェクトへの御礼」の挨拶で始まった合評会は大きく2つのパートに分かれ、前半は作品を上映した後で高校生相互の意見交換を行いました。後半では司会を私と飯田さんが引き受け、実践活動全体のふり返りと今後の展望について、高校生、局のみなさんに発表してもらいました。
高校生が制作したのは3分間のミニ番組、テーマは以下の通りです。
岡山後楽館高校A班「ぼっけぇあふれとるが桃太郎」
岡山後楽館高校B班「ぼっけぇ晴れとるが岡山」
高松工芸高校A班「香川のローカルアート」
高松工芸高校B班「香川の家庭のうどん」
(これらの作品は岡山放送のウェブサイトから見ることができます。 http://www.ohk.co.jp/highschool/index.html )
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どのチームも、その前に実施したイメージ交換ワークショップに基づいてテーマを立てました。岡山は香川、香川は岡山、相手の高校生が模造紙に描いた自分の県のイメージに違和感や少なからずのショックを覚え、それがテーマの下敷きになっています。「UDON」ばかりが強調された香川の高校生は、身の回りのアートや多様に根付く家庭のうどんをテーマに番組を作ることにしました。「桃太郎」や「晴れの国」という県のPRイメージに疑問を投げかけられた岡山の高校生は、その検証番組を作ることにしました。
それぞれのチームは自分たちの作品を上映した後で「インタビューになかなか答えてもらえなかった」「作るのと見ているのとでは違う」「高校生らしさを出そうとした」など制作に関する自分たちの感想を述べ、相手の県の高校生から、映像に対する質問や「取り上げられていた場所に行ってみたい」「イメージを改めた」などのコメントを受けました。
また、高校生と番組づくりに取り組んだ局員一人ひとりから「想像以上の早さで次々と新しいことを吸収して驚いた」「取材先の選び方が新鮮だった」「教えてはいけないと言われる中、どうヒントを出せばいいか戸惑った」「社外の人と接する貴重な機会となった」といった感想が語られました。
後半には、放送局が制作しオンエアした本実践の記録番組を視聴しながら、完成した作品そのものではなく、活動全体のふり返りを行うよう試みました。岡山放送ではこの日までに、最初の顔合わせ時の局内撮影ワークショップ、次のイメージ交換ワークショップの模様、高校生による完成作品の発表、という3本の企画を順次「温☆時間」の中で放送し、また、高松工芸高校の制作過程を追ったドキュメントを夕方の「スーパーニュース」の中で放送済みでした。議論では、これらの番組制作を担当した局の方の思いや、高校生の作品がやや縮められてオンエアされたことに対する高校生の意見も述べられました。
さらに、今後のメディアリテラシー実践に向けて「やってみたいこと」もしくは自分たちの経験をふまえた「提案」を高校生、局員の方々から発表してもらいました。高校生からは「もっと長い番組作りをしてみたい」「全国共通テーマでやってみてはどうか」「他のテーマでも制作してみたい」と意欲あふれる意見が出ました。中には「真実を伝える」「地域の人が理解して楽しめる」というもっと議論を掘り下げられれば、と時間の足りないことが惜しまれる意見もありました。
局のみなさんからは「年齢層を広げる」「学生と高齢者と一緒に行ってみる」「番組コーナー化」といった発展的な意見もあがれば、「若手増員」「参加社員の広がり」と体制の充実を求める声もあがりました。「制作の途中、随所随所でメディアリテラシーの学びの確認を行う」という実践を深化させていくアイディアも出ました。高橋局長からは、無編集の高校生の映像を流すこともふまえた実践の総括番組を作りたい、という意向が伝えられました。
会は当日出席下さった関係者の方からコメントをいただいて終わりました。水越さんは、高校生の作品もオンエアされた番組も実践の趣旨をふまえていて良かった、とコメントした上で、富山チューリップテレビの実践と比較しながら、今回の岡山実践は時間がやや足りず道半ばな面があり、一連の活動をもう1周行うととても良くなる、例えば高校生の作品の中に「きび団子」ばかりを意図的に強調するような編集があったが、それが果たして良いのか議論を重ねた上で番組作りを行うことが大事である、と述べ、こうすれば良かった、など足りなく感じるところを次につなげていくことが大切、と話しました。また、民放連プロジェクトでは高校生の制作番組を編集することなくオンエアする約束となっていることも指摘されました。
●岡山放送の実践概要……地域イメージを組み換える
民放連のメディアリテラシー実践プロジェクトでは、「送り手」と「受け手」という異なる立場の放送局員と高校生が共にテレビ番組を制作してきました。その過程で生じる意識や考え方のずれ、葛藤など、一種の異文化コミュニケーションを通じて、参加者一人ひとりが自分の中の「常識」や「ステレオタイプ」を見つめ、あたり前となっている今の「テレビのあり方」を捉え直すことを目指します。
今回の実践で特にフォーカスされたのが「地域イメージ」です。地域イメージはともすると紋切り型のステレオタイプな像が定着しがちです。それは日常的にテレビなどのメディアによって媒介され、再生産されています。そうしたイメージは地域PRのための戦略として積極的にうち出される場合もありますが、それがガチガチに固定されてしまうと、偏った見方を助長してしまったり、地域に根付く多様性やその他の多くの表現の可能性を潰してしまったりしかねません。

岡山放送は、岡山県だけでなく四国の香川県もカバーし、2県にまたがるユニークな放送エリアを抱えています。そこで、今回の実践では、その特性を活かして、岡山、香川の高校生が相互に交流しつつ番組を制作し、自分たちの住む地域のイメージを見つめ直す実践となりました。テレビ局の方々は、単純に直接番組作りのノウハウを教えるのではなく、高校生の番組制作をサポートし、高校生が「イメージの組み換え」を行っていけるよう、ファシリテーター役を担いました。

こうした目的をふまえ、番組制作に入る前には、岡山、香川の高校生がお互いに相手の地域のイメージを描き、交換するワークショップを行いました。なお、この「地域イメージの組み換え」をテーマとする実践は、2002年度に行った民放連プロジェクトの福岡実践を雛形としたものです。また、イメージ交換のワークショップは「ローカルの不思議」プロジェクトのイメージマップづくりの手法を活用させていただきました。
放送局員のみなさんは日常業務に追われる中で、また、高校生のみなさんは学校の課題をこなす中で、なんとか時間をやりくりし、実践に取り組まれました。さぞ負担も大きく、大変な実践だったろうと思いますが、一方で私が活動に立ち会う中で印象に残ったのは、高校生も放送局の方も気負いすぎず、肩の力を抜いて、生き生きと実に楽しそうに取り組んでいた姿でした。それが見ていて楽しくなる、思わず笑みのこぼれる作品を生みだす力になったと思います。
水越さんが指摘されていた「次へ」の積み残しとしては、今回の実践は夏休みという限られた時間の中で行われたため、高校生は他者がもたらす「メディアに媒介された地域イメージ」には批判的な眼差しを向けることができましたが、それを受けて制作した自分の作品に対して同様の批判の眼を向ける機会を充分に持ち得なかったことがあげられると思います。他者だけでなく自己の送り出す「メディアが媒介するイメージ」に気づき、その操作性を自覚しつつ制作に取り組めること、それが責任を伴った「表現する」という行為であり、新しい表現を社会へと拓いていくためのメディアリテラシーの大切な素養となるでしょう。ぜひ今回の実践が次のメディアリテラシー活動のステージへとつながっていけばと思います。
(執筆:土屋祐子 執筆協力:飯田豊、水越伸)
砺波高校、福野高校の高校生のみんなとチューリップテレビのみなさんは、富山大学黒田研究室ゆかりの大学生たちのサポートを受けつつ、じっくり時間をかけ、2回の予備的ビデオづくり(それぞれ富山大学、氷見市久目地区のPRがテーマ)をワークショップ形式でおこなってきました。そして9月に入っていよいよ本番の作品づくりを進めています。
ビデオ作品は、たんに学校や地元を紹介するような内容ではなく、あえていえば問題提起型のドキュメントとなる予定です。今月末には試写会をし、被取材者の方々などに見てもらって意見交換をするなど、インタラクティブにつくっていこうというのが特色。なんだかビデオジャーナリズムとか、オルタナティブメディアの展開のしかたのようだなと思いました。来月末に合評会を開催予定とのことで、今が胸つき八丁、関係者一同、がんばっているところだと思います。もちろん僕は現地にうかがう予定で、楽しみにしています。
さて、7月以来のワークショップでは毎回、高校生のみんなに振り返りシートを書いてもらってきていました。7月5日の第1回から8月6日の第6回までのコメントを服部さんが送って下さったので、各ワークショップのレポートに追加しておきました。コメント書くのも、それをワープロで打ち直すのも大変だったと思います。どうもありがとう!
ぜひご一読下さい!
みんな、しっかり「くるたのしんで」(苦しんで+楽しんで)くださいね。
応援していますぜー!
岡山放送(OHK)では、すでに高校生が作品づくりを終え、9月15日(日)には最終的な合評会を開催予定です。それに先立ち、ウェブサイトで作品の動画配信をはじめました。
まず同局のホームページのトップへ行って下さい。で、右脇のバナーにある「OHK High School TV Camp:メディアリテラシー実践プロジェクト」というコーナーをクリックして下さい。
合評会の様子は、またお知らせしますね。ご期待下さい。
チューリップテレビは予行演習的なワークショップを終え、ついに本番の番組制作に突入です。2008年8月30日(土)チューリップテレビに高校生たちが集まり、番組テーマの討議をおこないました。そのレポートです。
■活動後半に突入!高校生が番組テーマを討議
活動後半の番組づくりに向けた全体会議を開きました。秋に放送する1時間の番組に向けて、取材テーマを決めることが会議の目的。高校生たちがどれだけ主体的に発言し取り組むか、そして我々がその環境作りをできるかどうか・・・。前半のワークショップの経験を生かせるかどうか正念場です。
あらかじめ高校生には、「当日一人ずつ全員に企画プレゼンしてもらいます」と、事前に携帯メールで通知しておきました。コアメンバーの間では、「不都合な真実」「ここを変えたい」などの大テーマを設定した上で考えてもらおうという意見もあり、長時間にわたって話し合いましたが、最終的に枠をはめずに考えてもらうことがこの活動の趣旨に沿うということになりました。
生徒たちがどんなことを考えているのか?
いったどんなアイディアが出てくるのか・・・。正直不安な気持ちもありました。
■高校生が持ち寄ったテーマは・・・
・「富山の路面電車からの風景」”世界の車窓のようなタッチでやってみたい”
・「富山の特産の知名度って」”知られているのは氷見の寒ブリ、立山ぐらいでしかないのは悲しい…”
・「グランドホッケー」”地元小矢部市のお家芸ホッケーがプレーヤー不足で危機・・・。自分も選手だったから、面白さを伝えて子供たちの数を増やしたい”
・「高校文化祭と合併」”学園祭が近々ある。市町村合併で自分たちの高校が統廃合されるという噂もあり、どうなるかわからない。私たちも、ここに入ってくる中学生も知りたい。徹底取材したい”
などなど。
「グルメや店紹介ばっかりだったらどうする?」といった我々の懸念(?)をはねかえし、社会派タッチのものや”へぇーっ”と感心するテーマが出てきました。イマドキの高校生、なかなかやりますね!
■これら個々のプレゼンについては、高校生間の意見・質問コーナーを設けたほか、局のコアメンバー、大学生、高校の先生、そしてスカイプビデオで千葉の自宅から生参加の水越伸さん(東京大学)からも質問やアドバイスなどを出してもらいました。「高校生らしいテーマ、切り口を期待する」「現象を紹介するだけでは弱いのでは」「テーマについて隣の県ではどうなのか、同じ問題を抱えるほかの土地の高校生の考えなど比較するという視点を加える方法も・・・」また、「伝える相手はだれか?誰に向かって伝えるのか」など厳しい意見も。(あまりに熱く語り、水越さんに「大人がしゃべりすぎ!」と突っ込まれる場面もあったのですが・・・)
スカイプ参加の水越さん。おでこが光ってます・・・
■このあと、3つのチームに別れ、個々のプレゼンをもとにグループディスカッションで意見集約、テーマ決定というプロセスを踏みました。チームの一体感を高めるため、一人ずつ担当大学生を配置しました。大学生は、高校生と同じ立場で企画提案、リードする役割であること。また、各チーム担当のコアメンバーを配置し、チーム監督として高校生側の立場で動くことにしました。
予定の1時間を大幅に超えたグループ討議で集約された各チームのリポートテーマです。
Aチーム「境界を探す!」自分たちの遊び、言葉の違いが、地域、世代で微妙な違いがある。県東部(呉東)と県西部(呉西)、加賀前田藩と富山藩、南砺地方と金沢、境界はいったいどこに・・・
※このチームはメンバー間のテーマ決定で激論、3年生が後輩の1年生のネタを尊重するかたちで上記テーマに。リサーチした上で、大幅変更もあると話しています。
A team !
Bチーム「となみの魅力再発見」自分の家が伝統ある散居村。たたみの下に囲炉裏があるとう自分のおばあちゃんの話を紐解く。交通やコンビニがない不便さはあるものの”ここに住んでいて良かった”と感じる自分たちの田舎暮らしを、富山中心部の都会暮らしと比較するなどして伝える。
B team !
Cチーム「高校の100周年に高校生からの訴え ダサイ制服を変えよう」自分たちが思ってきた制服の一新について、その必要性などを映像・リポートで多角的に提案、どうすれば変えられるかそのしくみを自分たちで調べアタック。場合によっては校長先生にも取材しようと・・・。
C team !
■最後に、不特定多数の人が見る番組であること、公共の電波を使うこと、そして、自分たちでやりきることを再度確認し取材活動に突入しました。紹介や現状報告に終わらず、「自分たち目線の意見や提案」、「テーマ解決の当事者や伝えたい相手の反応・受け止めに迫る」そんなことを目標に、富山のメディアリテラシー活動は第二ステージに入りました。
■今後のスケジュール
・9月27日(土)試写会 午後1時〜 南砺市福野円形劇場ヘリオスセミナー室
※仲間の意見、感想をきく。伝えようとしている意図が伝わっているか。
-おおむね10日後、手直しするかなどグループ協議、作業を経て納品―
・10月25日(土)作品発表会 午後2時 砺波市美術館 展示室
※生徒の父母、両校の校長、担任など先生方、取材の対象者、住民ディレクターなど案内し上映会。
・11月中旬〜下旬 チューリップテレビにて60分の番組放送