2010/11/26 大阪メディアリテラシー・フォーラム報告

 11月26日(金)、民放連メディアリテラシー・フォーラムが大阪・関西大学で開催されました。6月の福岡に続いて2回目の開催です。放送局関係者や研究者、市民団体の方など50名ほどが参加しました。

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冒頭の基調報告では、東京大学大学院情報学環の水越伸氏より、これまでの民放連プロジェクトの枠組みや射程を振り返り、今後を展望する話がありました。林田からは、2001年に始まった民放連メディアリテラシープロジェクトの参加者へのインタビューをもとに、その成果や課題を報告しました(文末の論文参照)。

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その中で、水越氏は、今後、メディアリテラシープロジェクトが展開していく方向性を「マーケティング&メディアリテラシーへ」「学校・大学連携型」「公共施設連動型で地域に根ざす」などカテゴリー別に具体的に提示。それをもとに、参加者ディスカッションでは次の3つにわかれ、実際に携わる経験者からの報告が行われました。
1)クロスメディア市民参加型のメディア遊びへ(チューリップテレビ・服部寿人氏、東京大学大学院・鳥海希世子氏)
2)お客様サービス&CSR&体質改善のために(テレビ朝日・上野敦史氏)
3)海外の取り組み:すごい!台湾のメディアリテラシー(マルチメディア振興センター・劉雪雁氏)

今回は、前回(福岡)に比べて、人数も比較的少なかったせいか、それぞれの取り組みの目的や仕組み、予算や課題、局の体制など悩みについてなど、より詳細な質問が投げかけられていたように思います。それに対し、丁寧なやりとりが続きました。

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最後のパネルディスカッションでも、プロジェクト実践者の悩みや課題が率直に報告されました。2001年にはじまった「民放連メディアリテラシープロジェクト」今年で10年目を迎えました。その活動は大きくはなくても、しっかり、確実に広がっていることを、参加された方々の声から実感します。一方で、実践する放送局の方々の悩みはそれぞれに変わらずあり、孤軍奮闘しながら実践を継続している局員の方も少なくありません。前回の福岡に続いて、今回も、そうした「送り手」の生々しい声が聞かれました。その切実な声は、単に、民放連プロジェクトを継続する課題や困難を示しているだけでなく、現在の放送の状況を率直に捉えた示唆であり、望ましい放送の未来を描くための問題提起しているといえます。
なお、民放連メディアリテラシープロジェクト参加者へのインタビューについては、東京大学大学院学際情報学府紀要(NO.79 2010:65-87)「送り手のメディア・リテラシー:民放連プロジェクト実践者へのインタビューから」に詳細を記しています。東京大学大学院情報学環紀要

 (報告:林田真心子、撮影:劉雪雁)

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