連休のなかば、民放連番組部長の三好晴海さんとともに、愛媛県松山市にある南海放送におじゃましました。08年度民放連プロジェクトの実施局の一つ、同プロジェクトとしてははじめてラジオ・リテラシーの実践をおこないます。
今年でラジオがはじまって55年、テレビがはじまって50年という老舗局。お城脇のビルにうかがい、ラジオセンターの戒田節子さん、同部長の山下泰則さん、平田瑛子さん、メディアセンターの山内美帆子さんら、コアメンバーの方々と打ち合わせなどをし、午後には局員の方々向けにメディア・リテラシーとはなにか、民放連プロジェクトとはなにかといったそもそも論のお話をさせてもらいました。そのあとわずかな時間でしたが、編成局長の田中和彦さんをはじめとするラジオセンターのみなさんともやりとりをさせていただきました。みなさんどうもありがとうございました!
ラテ兼営に老舗局である南海放送は、率直にいって全国の似たような放送局と同じ構造的問題も抱えているようです。街と局のあいだには見えない境界線のようなものがあるような印象も受けました。しかし一方で半世紀にわたって力作ドキュメンタリーを作ってきたり、女性の職場環境改善などをしっかり行ってきた労使の蓄積があります。松山にはしっかりした地域の文化というものもあります。ラジオはもうダメじゃないかという業界全般の雰囲気を覆すためにも、この実践プロジェクトがインパクトを持てばいいですねとみなさんと話し合ってきました。
これからようやく本格的な議論に入ります。僕が三好さんとともに先方で申し上げたポイントはいくつかありましたが、おもなことがらを下記に列挙しておきます。どれも南海放送だけではなく、メディアリテラシーに取り組む放送局一般にいえることだと思います。
(1)プロみたいな番組を作らせることが目的じゃない。ラジオとはなにか、放送とはなにかを受け手だけではなく、送り手も問い直すきっかけとなるような活動を企画、実践することが目的。
(2)キャンペーンのための利用、番組企画の一方的な押しつけはしてはいけない。テーマはたとえばエコでもよいが、子どものリアリティから出発し、多角的な対象のとらえ方ができるようにデザインする。
(3)プロの局員から子どもへの一方的な教授ではなく、局員が子どもから学ぶことも大切。送り手と受け手の協働的なメディアリテラシーを育成する。
いずれにしても楽しくやることが大切。そのための企画やアイディアを、これから南海放送のみなさんとやりとりしていきたいと思っています。ご期待下さい!
水越伸
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