11/30, 12/6 「メディア・コンテ第2弾!–Media Conté 2008 in アイハウス」開催

「Media Conté 2008 in 可児」を受け、その第2弾となる「Media Conté 2008 in アイハウス」が2008年11月30日(日)と12月6日(土)、2週にわたり、愛知淑徳大学国際交流会館(I-House)にて実施されました。今回の実践では愛知淑徳大学国際交流会館(I-House)に生活する6名の在日留学生のみなさんに参加してもらいました。
RIMG0665.JPG夏の可児市での実践に引き続き、メディア・コンテでは、日常的なお題からあれこれ発想されるキーワードをもとに、参加者自身がファシリテーターとなる学生さんとの対話を通じて約2分間の物語(映像)を編み上げました。これは合計15枚程度の写真を紙芝居のように組み合わせ、並び替え、そこにストーリー(ナレーション)をつけていくという、一種の新しいデジタルストーリーテリングの試みです。メディア・コンテではこの「物語」を「文字」からではなく、「イメージ」の持つ力と他者との「対話」によって引き出すという事にチャレンジしています。
※デジカメ画像、思い出の写真、絵などをコンピュータでつなげてナレーションをつけ、数分間の映像作品を制作するデジタルストーリーテリング。ストーリーテリングの歴史は壁画として能古されているものを含め、相当に古くからの人間の営みといわれている、アメリカの教育現場やイギリスBBCでの放送を通じたウェールズでの取り組みなど、欧米で盛んに行われているこうしたストーリーテリングの現代版ともいうべき、デジタルな「物語」制作の活動は、近年日本でも注目されつつある。
プログラム
Picture 3.png
14:15〜15:00 お題ペタペタ
まず小川ゼミの学生と留学生がペアとなり、テーマにするお題を決めます。
 今回用意したお題は、
①名前の起源(1人)
②やっかいなもの(2人)
③大事な行事(1人)
④子どもの頃なりたかったもの(2人)
⑤私の日課・家族の日課(0)
※()内は実際そのお題を使った留学生の数。
RIMG0632.JPG
 お題ペテペタで出てきたキーワードを整理し、組み替え、具体的にストーリーにしてみます。それまでに出ていた具体的なキーワードやエピソードから物語の要素を捻出します。物語の最終的な帰着点、つまり紙芝居の5枚目、起承転結の「結」にあたる部分にどんなオチを持ってくるかが、物語全体の流れを決めます。
15:45〜16:45 中間発表会
RIMG0635.JPG①ストーリーの整理(あれもこれもと取り込みすぎた物語はストーリー性が一貫せず、キーワードが散在し、本当に伝えたい事が掴みきれません)
②具体的にどんなイメージ画像を使うかという事の検討。
24枚用意してくる写真にかんして確認し、1日目修了。
《2日目》12月1日(土)
9:00〜12:00 絵コンテ作り
 RIMG0651.JPG宿題として持って来た写真をプリントアウトし、絵コンテを作りました。
1日目に5コマで作った紙芝居を拡張させ15コマとし、画像を順に並べ替えて台紙にはっていきます。その後でストーリーの肝となるナレーションを書いていきます。
12:00〜12:30 一次合評会
 本番通りナレーションをつけて実際にストーリーを読んでみます。イメージの順番を入れ替えるなど、より「伝える」事に重点をおき、意見をだし合いました。
13:30〜16:00 編集作業
 RIMG0654.JPG実際にナレーションをとって、パソコンに取り込んだ画像に声を被せ、それを物語となるようにつなげていきました。
16:00〜16:40 上映会
 仕上がった作品の上映会には、アイハウスに暮らす留学生の友人たちがたくさん集まってくれました!普段の参加者と少し違った一面が見えたという声も。
■ 実践から見えてきたこと
今回アイハウスの実践からはおおきく二つの事が見えてきたと言えます。
①まずは、写真のイメージを具体的に持つ触媒の大切さです。
今回は具体的な写真が一日目に出てこず、可児とはそこがおおきく違いました。その事でストーリーの展開が文字形式に似てしまいました。可児のメディア・コンテの場合、WSの土台として「写真組み合わせストーリー」を挟み、実際に参加者が写真に触れる機会があったことが刺激になったようです。いいもの、こういう写真をとってみたい、写真の撮り方、創造性、創ってみたい、語ってみたい、そういった気持ちを喚起するような触媒は大切です。②2つ目としては、なぜこのようなWSをやっているのか参加者に十分に説明されてなかった、情報公開と社会的動機がなかったということです。
 コンピュータ・リテラシー、語学力といったテクニカルの面だけではなく、思考の幅においても、自分が誰であるのか、自分の中で反省的に思考するだけの十分な思考力も既に持っている留学生のみなさんに、この活動の帰着点、何を目指し、完成した作品がどんな可能性を持つのかなど十分に説明なされていなかった事で、参加者の皆さんを迷わせてしまった部分があったように思います。
参加者の皆さんが作ってくれた作品はケーブルテレビで放送されるほか、youtubeにアップされています!
『餃子的幸福』 
『いつもどこかへ行きたかった 』
『白身と黄身』 
『ないものねだり』

(執筆:稲葉莉奈/執筆協力:小川明子・伊藤昌亮)

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