6/4, 2008 「広告批評」の休刊宣言に聞いた、メディアの変化

「『広告批評』は雑誌ではなく運動なのです」
6月4月(水)に福武ホールの会議室で開かれたビオトープサロンは、雑誌「広告批評」の編集長の河尻享一さんと編集マネージャの西本真希さんをスピーカとして迎えました。「広告批評」が、来年4月の30周年記念号を最後に休刊すると宣言したことは、業界だけではなく一般的にも大きい反響を呼び起こしました。それゆえか、今回のサロンに盛況で、「フォーラム21」からの方々を含め、25人の方々にご参加いただきました。

お話は、自然ななりゆきとして「広告批評」の休刊宣言の事情を訊くことから始まりました。河尻編集長は、休刊宣言についての社会的反響が大きくて驚いたそうです。「広告批評」の方々にとって、今回の休刊宣言は、休刊のための宣言ではなく、変化してゆくメディア環境の中で新しい「広告批評」のスタイルを探るための宣言であり、来年からは今までは違う形で「広告批評」をやり続けてゆきたいそうです。インターネットやブログなど新しい媒体の躍進、それらに取り組んだ新しいスタイルの広告の登場など、今までのマス広告とは異なるコミュニケーションが増えていく中、それらを批判的にとりあげるために「広告批評」もどんどん変化してゆかなければならないということです。そういう意味で「広告批評」が目標していることは「雑誌」ではなく「運動」だという河尻さんの一言はとても響きました。
「広告批評」は、テレビCMの全盛期といわれている1979年に創刊、広告を文化と位置づけ、大衆の視点から広告に対するクリティックをやり続けてた雑誌です。今回のサロンの参加者の中には、自分が制作に関わったテレビCMが「広告批評」に取り上げられたことがある方や、「広告批評」の広告学校で学んだことがある方々もいて、みんな「広告批評」がなくなってしまうのは寂しくて残念だと言っていましたが、これからも「広告批評」を応援しながらサポートしたい気持ちでいっぱいでした。水越先生がいうように、『広告批評』のような雑誌の存在は、単に出版事業に留まらず、メディア生態系にも大きな影響を持つ大事なメディアです。これからもぜひ頑張ってください。お忙しい中サロンにお越しになってくださった河尻さん、西本さんに改めて感謝いたします。
*「ビオトープ・サロン」は、「ゆるやかに、でも建設的にメディアに関するさまざまなことを話し合う場」として水越研究室が毎月2回ベースで主催するサロン形式の集まりです! *

この記事はUncategorizedに投稿されました. このパーマリンクをブックマークする。 コメントは受け付けていませんが、次の URL へトラックバックを残せます: トラックバック URL.