8/11-12 ラジクエ!ワークショップ2011「災害の記憶、記憶のリレー」@神戸を開催しました

2011年8月11日、12日、神戸市長田区の商店街で「災害の記憶、記憶のリレー」をテーマにラジクエ!ワークショップを行いました。広島経済大学・土屋ゼミ14名と愛知淑徳大学・小川ゼミ13名が参加しました。
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「ラジクエ!(ラジオ・コミュニティ・クエスト)」は、地図とICレコーダーを手に町を探索(クエスト)しながらそこに住む人々の声を拾い上げ、コミュニティラジオでの放送を通じて地域の語りを共有していくワークショップです。ワークショップは、取材に不慣れな学生達が、見知らぬ土地で限られた時間内に行うことを前提に、「ドラクエ」の様なクエスト・ゲームの要素を取り入れて、「地域との出会い」「他者との触れ合い」を実現するようデザインしました。
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具体的には、いくつかの「指令」を設定し、一つひとつのステップをクリアしていくプログラムとし、テンポ良く集中して課題に取り組めるよう開発しています。「ラジクエカード」を引いて最初に訪れる取材先を決める、携帯を用いたプレワークショップでICレコーダーを選ぶ、などゲーム的参加の面白さ、遊びのわくわく感を盛り込み、学生たちが苦手とする見知らぬ他者へのインタビューの動機づけを行います。
2011年度は神戸市長田区のコミュニティ放送「FMわいわい」の協力の下で、「災害の記憶、記憶のリレー」をテーマに実施しました。神戸市新長田の南地区の商店街の人々を取材、阪神淡路大震災をふり返りながら「私たちが知っておくべきこと」を話してもらい、翌日には30分の番組を制作、「『震災、復興から伝えたい長田の心』ラジクエ!」と題して放送しました。
radique2011g.jpg参加した広島、愛知の学生達は神戸に来る前、自分達の住むそれぞれの地域の過去の災害について取材し、ラジオクイズ形式のミニ番組を作る、という神戸と同様の取り組みを行ってきました。3月に東日本大震災が起こる中、自分たちの足下の地域災害を調べることから、他地域や他者への共感の思いを紡いでいくこと、テレビモニターの先の現実に自分の経験の延長としての想像力を育んでいくことを目指してきました。
神戸ではFMわいわいの方に阪神淡路大震災当時の状況についてお話しいただいたり、商店街の方々をご紹介いただいたり、制作したラジオ番組について講評いただいたり、社会的な学びのコミュニティが生まれる中で学生達は取材に取り組みました。
極めて短い時間の中での難しいテーマのワークショップでしたが、学生達は町の人々の声を拾い上げ、番組化しました。何より、震災について話すことを躊躇される方や伝えていかなければという思いから辛い体験を話して下さる方、様々な震災体験を持つ方々と出会うことで、社会的に語る難しさと意義を学ぶ貴重な機会になったと思います。
●スケジュール
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8月11日
午後 神戸市立地域人材支援センター集合
13:15  オリエンテーション
    ※グループ分け/資料配布/機材準備
13:30 準備ワークショップ
    ※オリエンテーション(阪神大震災/FMわいわいについてのレクチャー)
    ※ケータイ投稿「万が一への備え」
     ポイントによって機材,場所を示した
     おみくじがひける
14:15 取材活動 長田区南エリア商店街
16:00 編集
17:00 終了
8月12日
10:00 FMわいわい集合
11:00 生放送!(30分間)
●ラジクエ!2011 クエストシート
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Quest1:オリエンテーションでポイントをゲットせよ!
  オリエンテーションの中でさまざまに提示される問題に答えてグループでポイントをゲットしてください。ポイントの高いチームから取材をめぐるおみくじをひくことができます。
Quest2 :おみくじの指示に従って取材せよ!
 ポイントの多かったチームから取材ツール(録音器材)を選ぶことができます。また,おみくじには取材先の連絡先と場所が書いてあります。そこに取材アポイントメントを取り,私たちが知っておくべき災害の記憶や有用な知恵を取材してください。録音がとれたかどうか,必ず確認すること!
Quest3 : 取材録音のなかから最も印象的なインタビューを抜き出せ!
 いくつかとったインタビューの中から,最も印象的なことばを編集し,1−2分の音声クリップを作ってください。グループ内で調整し,神戸の人たちにとっても有用となるようなインタビューが放送できるようにしっかり議論してください。時間内にできなければ,相談して必ず音声クリップを翌朝までに作るようにしてください。
Quest4 : 最も多くの支持を獲得できるような内容を提示せよ!
 今回の放送は生放送!失敗は許されない。番組中に、各グループの報告の中から,最も印象的でためになったものをケータイで投票します。もっとも「印象的」で「ためになる」放送ができるように,グループでアイディアを出し合い,協力してください。
土屋祐子(広島経済大学)、小川明子(愛知淑徳大学)

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