09/6/29 和歌山WBSのML実践プロジェクト始動!

 この春、5月15日(金)と6月29日(月)の二回、境真理子さん(桃山学院大学)、沼晃介さん(東京大学)、飯田豊(福山大学)の3名で、和歌山放送(WBS)を訪問させていただきました。今年度、日本民間放送連盟のメディアリテラシー実践プロジェクトに取り組むことになった和歌山放送では、編成制作部の花井歩高さんを軸に、さっそくプロジェクトチームが編制され、5月にはチーム全体の顔合わせをおこない、6月末は嵐の中、30代以下の若手局員の方々と会合。
 二度の訪問では、和歌山放送がこれから試みようとしているラジオ・リテラシーの実践について、企画を具体化させるための議論というよりも、このプロジェクトのそもそもの意義、その先の可能性といったことがらを繰り返し確認しながら、アイデアの交換をおこないました。南海放送で昨年度おこなわれたラジオ実践の成果を受けて、和歌山放送においても以下のふたつを、活動の基本的な目的と考えています。

  1. 高校生たちが、ウェブサイトやケータイをクロスメディア的に活用し、放送局の人々のサポートを得つつ、あるテーマのもとに人々の声を聞き、音源を手に入れ、番組を構成し、マイクの前で語り、リスナーのコミュニティの生み出すことを体験することを通じて、デジタル時代のラジオというメディアの課題を批判的に吟味し、その可能性を実践的に体感すること。さらに、そのことを通じて、地域の多様性や人間のあり方など、ラジオを通して見えてくる社会の諸相についての認識を深めること。
  2. 放送局員が、若い高校生たちとともに、クロスメディア的な番組づくりを経験することを通じて、若者のリアリティを体感するとともに、日常化した業務を新たな角度からとらえなおし、批判的に吟味し、ラジオというメディアの課題と可能性を改めて意識しなおすこと。さらに、そのことを通じて、デジタル時代のローカル民放局のあり方についての認識を深めること。

 活動の大枠として、高校生たちが、放送局員あるいは大学生と協働して、あるテーマについてラジオで広く県下に呼びかけつつ、デジタルカメラとICレコーダーを用いて、人から人へと何かを探し訪ねるかたちの取材レポートを重ねる、という流れを思い描いています。その成果は逐次ウェブサイトにアップされ、リスナーが閲覧することができるようにします。そのうえで、ウェブサイトを閲覧しつつラジオを聴いてくれているリスナーを前提にしたコーナーを、生放送の中で(あくまで実験的に)設けることができれば、望ましいのではないでしょうか。
 現在、活動に参加してくれる高校生と大学生がようやく確定しつつあり、企画のさらなる具体化を進めているところです。どうぞご期待下さい。
 そして今週末、関西大学心斎橋オフィスで開催される「民放連メディアリテラシープロジェクト・セミナー」(第14回メル・プラッツ公開研究会)に、活動の企画書を携えて参加します。ご参加下さる方々と意見交換ができることを楽しみにしております。
(文責:飯田豊)

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