08/7/13 岡山放送High School TV Camp 初顔合わせ!

 7月13日(日)、岡山放送(OHK)において、民放連メディアリテラシー実践プロジェクトの初顔合わせ会合がありました。岡山県と香川県を放送エリアとするOHKが実施するプロジェクトは、岡山と香川の高校生が瀬戸内海を挟んで交流しながら、それぞれ短い番組制作をおこなうものです(「OHK High School TV Camp」というネーミングが各所で使われているのですが、関係者のあいだでもまだ、あまり定着していないようですね)。
 この日は、プロジェクトに参加する岡山後楽館高等学校香川県立高松工芸高等学校の生徒さん(合計18名)がOHKの本社を訪れました。高校生たちを迎える局員のみなさんは、実に12名! 日曜日にも関わらず、プロジェクトメンバーが一人も欠けることなく、全員集合したのでした。PICT1912.JPG
 この節目の会合に、「マス&コミュニケーション」プロジェクトからは、土屋祐子さん(広島経済大学)、駒谷真美さん(昭和女子大学)、飯田豊(福山大学)が参加させていただきました。調査を担当している駒谷さんは、先日のチューリップテレビの初顔合わせと同様、高校生たちに対して元気よく、事前アンケートと個別インタビューをおこない、土屋さんと僕が、両校の生徒さん、局員のみなさんのあいだのコミュニケーションをサポートするという役回りでした。PICT1917.JPG
 会合の大まかな流れは、以下の通りでした。

  • 高橋局長のあいさつ、駒谷さんによるアンケート、土屋さんによるプロジェクトの趣旨説明などのあと、参加者全員が簡潔に自己紹介。
  • OHKの社屋を全員で見学。プロジェクトのメンバーではないアナウンサーの方々も、高校生たちの突然の訪問に驚きながらも、とても好意的に応対して下さいました。ありがとうございました。
  • ミニ・ワークショップ「テレビ局探検!」。岡山と香川の高校生たちが4つの混成グループをつくり、社内見学を踏まえて「気になったもの」を、ひとり1カット10秒以内で撮影するというものです。上映会では、どういうねらいで撮影したのかということを、ひとりずつ発表してもらいました。

 結果から言えば、局員のみなさんによる綿密な役割分担、細やかな配慮、そして咄嗟の機転が功を奏して、会合は滞りなく進行しました。3名の若手のみなさんが司会をされたのですが、しっかりとした進行表を作って臨まれていました。その進行表にはもともと、駒谷さんが高校生に対しておこなう個別インタビューの時間は想定されていなかったのですが、当日の打ち合わせの時点で、ばっちり組み込んで下さいました。突然の要請でご迷惑をお掛けしましたが、とても柔軟に対応していただき、ありがとうございました。PICT1921.JPG
 この局のプロジェクト実施体制については、局長から中堅、若手まで、メンバーの層が厚いことが、何よりの強みです。それゆえ、高校生たちとしっかりとコミュニケーションをとる余裕が生まれ、「局の方々がとても優しく、暖かかったです」とか、「社員の人が変わってるなあ〜」といった高校生たちの声を聞くことができました。PICT1925.JPG
 これからの実践に備えて、課題として感じたことも挙げておきたいと思います。
 ひとつは、富山のチューリップテレビでおこなわれたワークショップとまったく同じ反省点なのですが、上映会における「締め」の部分が少し緩かったことです。参加者がお互いに打ち解けるための仕掛けとしては、今回のミニ・ワークショップは十分にうまくいったと思いますが、高校生たちが局内で撮った「気になったもの」について、局員のみなさんとのあいだで、もっと対話を弾ませてもよかったのではないでしょうか。普段まったく足を運ぶことがないテレビ局に対して、高校生たちがある種のステレオタイプを持っていることは、当日に回収したワークシートの記述からも明らかで、このことについて送り手と受け手のあいだで、その理由を含めてしっかりと掘り下げて考えてみることには、重要な意味があると思います。PICT1934.JPG
 もうひとつは、局のみなさんも十分に自覚されていることですが、岡山と香川の地域格差とどのように向き合うかということです。このことがプロジェクトの難しさであると同時に、他の地域ではできない面白さ、ユニークさでもあります。OHKのロビーに相談所を常設するという構想がある一方、特に香川の高校生たちのことを考えて、インターネットを使って関係者が交流するシステムも用意されていることをうかがいました。こうした試みを思案すること自体が、これからのOHKにとって非常に大切なことですが、ただし、プロジェクトの本筋に意図せざる支障をきたさないよう、慎重に活用していただきたいと思います。PICT1947.JPG
 さて、OHKの実践プロジェクトはこれから、夏休みを使って集中的におこなわれます。7月下旬にはさっそく、番組制作のための助走として、より本格的なワークショップが始まります。蒸し暑い日が続きますが、頑張っていきましょう。
(文責:飯田 豊、写真:土屋 祐子)

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